大学の事務作業が非効率的だったのでGASを使ってシステム化した
はじめに
所属する大学の卒業アルバム制作委員長をやることになったのですが,業務内容が非効率的で誰も得しないやり方だったのでGASの勉強がてら業務をシステム化してみました.
あまり時間がない中での作業だったのとGAS特有のバグ?みたいなものに見舞われ,スマートに書けていないものや敢えて関数化していないものがありますが,コードの中身よりこんな事例にGASが使えたよっていう一例として見て頂ければ幸いです!
製作において意識した点は次の二点です.
〇業務に関わる全ての人の仕事を楽にすること
〇プログラミングなどの知識が一切ない人でも簡単に使えるようにすること
卒業アルバム制作委員会の目的と仕事内容
我々の目的は,全ての研究室・サークルから卒業アルバム用の写真を回収し,大学の事務の方に提出することです.
今までのやり方は(研究室ごとの持ち回りでほぼランダムに選ばれた)30名弱のアルバム委員がそれぞれ20団体くらいの担当を持ち,各自でメールを使って各団体に卒業アルバム用の写真を提出するようにお願いし,それを事務の方に提出するというモノでした.
やることといえばそれだけで大したことはなさそうなのですが,連絡が遅い・とれない団体があったり,そもそもアルバム委員がほぼボランティアなので仕事にあんまりやる気がでなかったりで,毎年〆切間際でしわ寄せが来て誰かしら辛い思いをしていたらしいです.
やったこと
従来は各アルバム委員が各々で仕事をしていたのが問題でした.このせいで委員長も管理がほぼ出来ていなかったみたいなので,簡単に写真が提出できる『写真提出管理システム』の作成と諸々便利ツールの自動生成です.
写真提出管理システム
今までは回収した写真を事務の方に提出する際,各自メールで提出していたそうですが,そうなると以下の問題があります
・担当団体が写真を提出してくる度に,メールを書くなくてはならず結構めんどくさい
・委員を管理すべき委員長が提出を把握し辛づらくて色々めんどくさい
・事務の方のメール一覧には数百件の提出メールが届くことになるので確実に管理がめんどくさい
これを改善するためにGASを使って以下のシステムを作りました.
〇入力
・Giga File便によってダウンロードリンク化した画像ファイルをグーグルフォームで回答
〇出力
・スプレットシートに表として提出状況とリンクを反映
提出したリンクが表形式で反映されるので,どの団体が提出しているかが一目で分かります.そのため,委員長は状況の管理がしやすいです.
また,ダウンロードリンクがこのシートに全てまとまるので,事務の方が何百件ものメールを管理する必要がなくなっています!(めっちゃ推しポイント)
・毎朝8-9時に新規提出分のチェックとお知らせ
新規提出があれば事務の方と委員長に自動でお知らせしてくれます.
自動生成システム
写真提出管理システムはプログラミングやGASを知っていれば動かすのは大したことはないのですが,事務の方は勿論学生でも使えない子は案外少なくないので,プログラミングを感じることなく簡単に動かせるようにしました.
〇入力
・設定用スプレットシートに『研究室名』『サークル名』などを指定に従って入力
・Googleフォームで,プロジェクト名を回答する
〇出力
・入力したプロジェクト名のフォルダを生成し,その下に写真提出用Googleフォーム,提出管理用スプレットシートなどを自動生成
ここで生成される全てのファイルには設定用スプレットシートに設定したデータが反映されています.
また,新規写真提出チェックシステムは最新のプロジェクトファイルを参照するようにプログラムしているため,管理者は
①設定用スプレットシートに設定を記入し,
②グーグルフォームにプロジェクト名を回答する
だけで,卒アル制作に便利なファイルやシステムが自動生成・自動運用されることになります.
結果
今までは最大で80%の回収率だったらしいんですが今年はほぼ100%で事務の方にめちゃめちゃ褒められました!
毎年,締め切り直前は事務の方も冷や冷やだったらしいんですがそんなこともなく.
全員のタスクを相当減らせたのが今回の結果に繋がったのかなと思います!
来年度以降もこのシステムを使って円滑に卒業アルバム制作を進めてもらえたら嬉しいです!
終わりに
正直,回収率が上がったのは,スケジューリング見直したり,メールでのやりとりをやめてSlackを使ったり,先方に送る文章のテンプレを作ったりなど9割方別のところ(マネジメント?)に要因がありました(技術的な話は一切ないので省略しましたが).
しかし,そもそも今までの回収率が悪かったのは,卒論もあるこの時期にアルバム委員がモチベーションを保つのが厳しいというところにあります.
そのため,システム化によってボタン一つで諸々作ってくれて提出状況が簡単に管理できるシステムがあるのは今後のアルバム制作に大きく貢献できる(というかしてほしいw)と思ってます!
技術的な感想?
ぶっちゃけプログラミング的には大したことはしてないんですが,GASは身近なところで役に立てやすくて好きです笑
昔,所属する演劇部用にスケジュール管理システムを作ったことがあって,それも好評だったんですが,その時は管理者がプログラムをある程度理解できる必要があったので引継ぎのために使い方資料を充実させるようにしてました.
今回は引継ぎをしてくださる事務の方が高齢だったこともあって,そもそもプログラムを感じさせないように工夫しました.どんなに便利なモノでも誰でも簡単に使えないと人の役に立てないという教訓を逆説的に得られた気がします!